シードルの最もおいしい飲み方や温度は?氷で冷やすと美味い?

シードルは、りんごをアルコール発酵させてつくる醸造酒です。原材料はおもにりんごだけで、海外ではビールやワインと同じくらい生活に馴染みのあるものだそう。

けれどもわたしたち日本人にとっては、まだ親しみの薄いもの。選びかたも飲みかたも、あまりピンとこないひとは多いかもしれません。

ワインに赤、白、スパークリングなどの種類があるように、シードルも種類はさまざま。きらきらと発泡している黄金色のお酒をイメージする方が多いかもしれませんが、泡のないスティルタイプやアイスシードルといったものもあり、味も飲みやすい甘口から、キリッとした辛口まで、非常にバラエティ豊かです。

そして、種類や場面によっておいしい飲み方も変わります。では、どうやってそれを見極めればよいのでしょうか?

そこで今回は、シードルをもっと身近に感じていただけるよう、気軽に試せる最もおいしいシードルの飲み方についてご紹介していきます。

目次

シードルが最もおいしい温度とは?

シードルの最もおいしい飲み方や温度01

お酒をおいしく飲むための重要なポイントとして、温度があります。

夏の暑い日に飲む仕事終わりのビールは、キンキンに冷えていたほうがいい。冬の夜は、ゆっくりホットワインを愉しみたい。お酒の種類によってはもちろん、その日そのときの場面や気分によっても「おいしい」と感じる飲み方は変わりますよね。

場面にあわせて飲み方も選べたら、いっそうシードルを深く味わえるはず。シードルを最もおいしく飲むことができる温度について、かんたんに実践できる方法をご案内していきます。

温度|①最もおいしく飲める温度は6~7度

シードルを最もおいしく飲める温度は、6~7度と言われています。これは生産者や種類によって異なりますが、基本的にこの温度をめやすにしてください。そして10度くらいまでほどけてくると、香りが最も広がります。グラスに注いでから少し経ち、次第に変化する香りにも注目してみましょう。

温度|②野菜室で2~3時間ほど置いておく

とはいえ「6~7度って、どうやって?」と思いますよね。じつはこれ、特別な手間をかけなくても、案外かんたんに準備することができるんです。

一般的に、冷蔵室の温度は2~5度くらいです。そして野菜室は、それより少し高めの5~8度くらいに設定されています。

なので、冷蔵室に入れていたシードルは、飲みはじめる2~3時間前に野菜室に移しておきましょう。そうすることで、飲みはじめるころにはちょうどよい温度になっているはずです。

シードルは氷で冷やしたほうがおいしいの?

シードルの最もおいしい飲み方や温度02

氷で冷やすという飲み方はどうなのでしょうか? もちろんそういう飲み方もありますが、一概に「とにかく冷やせばよし!」というわけではありません。たとえばスペインのマエロックというシードルや日本産のシードルのように、酸味の強い種類の場合は、氷を入れることによって酸がやわらぎ、飲みやすくなります。とくに夏の暑い日など、すっきり飲みたいときにはおすすめです。

シードルは温めて飲んでもいいの?

シードルの最もおいしい飲み方や温度03

ここまで冷たいシードルの飲み方についてご紹介してきました。それでは温かいシードルという飲み方もあるのでしょうか?

ホットワインのように、シードルは温めて飲んでもおいしいです。温かいシードルカクテルというものもあります。また、温めたシードルにシナモンや蜂蜜、レモンスライス、クローブなどを加えて、ひと味違った楽しみかたをするのもよいですね。

海外のシードルは、甘味が強くてホットシードルにもぴったり。また、開栓して時間が経ったものを温めて飲むのもおすすめです。酸味が強いものを使う場合も、シロップを多めに加えるとおいしく飲むことができますよ。

シードルをおいしく飲むために。テイスティグで確認したい4つのポイント

シードルの最もおいしい飲み方や温度04

どんな種類のお酒でも、一度飲んだだけで味わいを理解するのは難しいですよね。では、実際にテイスティングをおこなうときに、注目すべきポイントはどこなのでしょう?

今回は「ラベル」「色・発泡」「香り」「味わい」の4つの項目に分けて、ご紹介していきます。見ため、香り、味わいなどさまざまな要素を確認しながら、「どうしたらこの味になるんだろう」と想像を膨らませて、いろいろな種類のシードルを飲みくらべてみてください。

テイスティング|①ラベル

まず、ラベルを確認してみましょう。

シードルのラベルには、おもに生産者、原材料、容量、アルコール分、収穫年、製造年が記載されています。記載方法は国によって異なりますが、海外産なら原産国や輸入元、日本産なら製造者についてなども知ることができます。

最低限の情報として、甘口・中辛口・辛口など味のタイプを確認しましょう。そのほかにも「コルク栓を使っているシードルは、伝統的な製法でつくられている高級品」「この製造者はりんごを自家栽培している/自家醸造している」「無農薬のりんごを使用している」など、ラベルを読むだけで得られる情報はたくさんあります。また、ラベルのデザインでピンときたものを選んでみるのも一興ですね。

テイスティング|②色の違い・発泡の違い

次に、グラスに注いだときの色を確認してみましょう。

シードルといってもさまざまな種類があります。まさにりんご果汁のような黄金色のものもあれば、レモンイエローのもの、オレンジがかったもの、透明に近いクリアなものまで。濁りの有無や色の濃淡、輝きなどを観察してみてください。

赤みの強いものはタンニンに由来していることが多いため渋味がでている、濁りがあるものは酵母由来の香ばしさが期待できるなど、色からもさまざまな想像ができます。

ここでもうひとつ、色のほかに確認しておきたいのは発泡です。

泡は、多い・少ないという量の話だけではなく、きめ細かさや持続力にも注目してみましょう。製造方法、発酵期間などによって変わるのはもちろん、糖度の高さや繊維質の多さなども泡立ちに影響します。

また、発泡性のあるシードルを楽しむときには、シャンパングラスやフルートグラスを使うとより美しい泡立ちを楽しめますよ。

テイスティング|③香り

ここまでは視覚で確認できるポイントをご紹介してきました。次は香りを探ってみましょう。

シードルを注いだグラスに鼻を近づけたり離したりして、香りを確認します。そのとき、手でグラスを温めると、より香りが立つので試してみてください

りんごの香りだけでも、若々しい新鮮なものから、加熱された濃厚なものまでさまざまです。また、りんごだけでなく、ほかの果物の香り、土の香り、スパイスの香りなど、香りに奥ゆきを感じられます。国や製造方法、りんごの品種、熟成期間などに注目しながら、それぞれの香りを楽しみましょう。

テイスティング|④味わい

最後に味わいを楽しんでください。

シードルの味は、同じ銘柄でも甘口・中辛口・辛口などに分類され、さらに甘味、酸味、渋味、ときには苦味などを軸にテイスティングします。香りにはやわらかい甘さがあったのに、飲んでみるとそれほど甘さは感じないということも。見ためや香りとのギャップがあることも、シードルのおもしろさです。五感を研ぎ澄ませて、ぜひシードルで贅沢な時間を堪能してみてください。

シードルの最もおいしい飲み方や温度|まとめ

シードルの最もおいしい飲み方や温度05

今回はシードルをもっと身近に感じていただけるよう、気軽に試せる最もおいしいシードルの飲み方についてご紹介しました。

最後に、シードルにまつわる温度の基本をかんたんにおさらいしておきましょう。

・シードルを最もおいしく飲める温度は、6~7度
・香りが最も広がるのは10度前後
・テイスティングの際には「ラベル」「色・発泡」「香り」「味わい」にご注目を

もちろんシードルの種類や場面によっておいしい飲み方は変わります。暑い日はしっかりと冷やす、肌寒い日はホットシードルを楽しむ。そんなふうに、その日そのときの場面や気分にあわせて飲み方を変えられるのもシードルの魅力です。ぜひ、あなただけのおいしい温度を探してみてくださいね。

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